著者
和田 玲子
出版者
九州ルーテル学院大学
雑誌
紀要 (ISSN:13432133)
巻号頁・発行日
no.41, pp.21-31, 2011-07

本症例は新生児科の病棟内で、音楽を積極的に取り入れた療育を行うことで、児の情緒面の発達が促され、次第に母親の精神状態が安定していったという経過が得られた症例である。超低出生体重児で生まれ、呼吸のコントロールが上手くいかなかった女児母)(以下A子)は、気管開窓術後徐々に軽快し、1歳で退院許可が出たが、当初、養育問題・介護問題(曾祖のため、施設入所とい選択をせざるを得なかった。日々の療育の中で、次第に挨拶などの生活習慣が身につくようになったA子は音楽に対しては、曲に合わせて、リズムをとったり、好きな歌に笑顔を見せたり、機嫌の良い反応を多く見せ、意思表示や感情表現もはっきりと示した。その後、家庭環境が変化し、母親の希望が叶い、2歳で自宅に退院となった。また本報告では、小学校入学まであと一年と成長したA子と、母親、またA子が通う幼稚園の園長にインタビューした内容を記載するとともに、新生児科の病棟内に音楽療法や音楽を取り入れた療育があることがどのような意味をもつのか、医師やコメディカルのインタビューも統括して、その効果を考察していく。

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こんな論文どうですか? 新生児科に入院中に音楽で関わったことが、その児の成長発達に及ぼした効果について--幼稚園でのインタビューを終えて(和田 玲子),2011 https://t.co/0UpTF0WoNc 本症例は新生児科の病棟内で、音楽を積極…

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