著者
永田 利彦
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.609-614, 2011-07-01

摂食障害を併存症の観点から,気分スペクトラム障害や強迫スペクトラム障害としてとらえることが提唱されてきた.一方,社交不安障害(social anxiety disorder:SAD)は,併存率の高さの割に注目されてこなかったが,スピーチ恐怖症から全般性社交不安障害へと概念が拡大し,薬物療法の有効性も知られるようになった.通院中の女性摂食障害患者266例を対象に,社交不安障害の併存の有無によって比較した予備的な結果では,91例(34%)が社交不安障害を併存し,ほとんどが全般性社交不安障害で,社交不安障害が摂食障害に先行した.社交不安障害が併存すると自傷や自殺未遂の率が高く,境界性パーソナリティ障害として紹介されることも多かった.薬物療法を行ったのは38%にとどまったが薬物療法と精神療法の組み合わせが46%に有効であった.摂食障害全体を社交不安障害として説明できるわけではないが,1つの治療モデルとして重要である可能性が示された.

言及状況

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摂食障害と全般性社交不安障害、薬物療法と認知行動療法の併用が単独より有効。http://t.co/beSYi1qH

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