著者
林 雅秀 岡 裕泰 田中 亘
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.9-20, 2011
参考文献数
37

森林所有者は経済学的な要因のみならず,社会関係の影響を受けて意思決定を行っていると考えられる。本稿は社会関係が森林所有者の行動に関与することを取引費用経済学の立場から理論的に示した上で,森林所有者と事業体との間の社会関係と森林所有者どうしの社会関係が森林所有者による保育と伐採という意思決定に及ぼす影響についての仮説を構築した。仮説の妥当性を秋田県および岩手県の森林組合員を対象とした郵送調査データに基づいて検討した。その結果,とくに森林所有者どうしの社会関係が森林所有者の意思決定に及ぼす影響が大きいことが明らかになった。その背後には,森林所有者どうしの社会関係は,事業体についての評判を流通させ,社会的不確実性を低減させる効果をもつというメカニズムが存在すると考えられた。

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少し前の論文を読んでみると、森林所有者の間の情報交換を進めることについて考えさせられます。森林経営計画の策定でも、所有者間の交流がある地域では進めやすいのかな、地域によっては、所有者間で林業事業体の悪い評判が定着し、逆に施業に対して消極的になるかもな~などと、良い面、悪い面の両面を考えました。う~ん、現場は難しい。 http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lan ...

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