- 著者
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佐瀬 巧
中川 匡弘
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.110, no.465, pp.105-110, 2011-03-03
近年,脳波(EEG)を利用した脳機能研究が盛んに行われている.脳波の大部分を形成すると考えられているθ,α,β波の各帯域を観測・解析して脳機能を調査する研究が多々あるが,EEGの高周波成分の重要性を主張する研究報告もされている.我々は,EEGの高周波成分を捉えるフラクタル次元推定法を利用し,簡易な指タッピング実験により高周波成分の有用性を検証した.レスト時とタスク時のフラクタル次元を比較した結果,それぞれ約1.32,1.40と算出され,レスト時とタスク時でフラクタル次元が異なることが確認された.更に,フラクタル次元推定時におけるモーメント次数の高次化を行った結果,EEGの高周波成分がより顕著となることが示された.