著者
揖斐 拓人 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.222, pp.119-124, 2013-09-24

咀嚼という行為には脳を活性化する働きがあるとされている.本研究では,ガムを咀嚼することがヒトの集中力にどのような効果があるのかについて実験,検討を行った.実験タスクとして,集中力が関係するであろう4つのタスクを行った.『集中』の評価には,脳波のフラクタル性を用いた感性解析を用い,また,独立成分分析によって測定した脳波に含まれる咀嚼による筋電の除去を試みた.結果として,咀嚼していない状態を基準とした場合,ガム咀嚼時には『集中』が約38%程度上昇することが示された.
著者
揖斐 拓人 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.223, pp.119-124, 2013-09-24

咀嚼という行為には脳を活性化する働きがあるとされている.本研究では,ガムを咀嚼することがヒトの集中力にどのような効果があるのかについて実験,検討を行った.実験タスクとして,集中力が関係するであろう4つのタスクを行った.『集中』の評価には,脳波のフラクタル性を用いた感性解析を用い,また,独立成分分析によって測定した脳波に含まれる咀嚼による筋電の除去を試みた.結果として,咀嚼していない状態を基準とした場合,ガム咀嚼時には『集中』が約38%程度上昇することが示された.
著者
安倍 大介 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.294, pp.51-55, 2010-11-11

現在,世の中には自動車や電車などの交通機関が数多く存在している.技術の進歩により機械的原因による事故は減少してきた.しかし,人間の判断ミスや操作ミスによる事故は未だに絶えない.近年,運転時における人間の心電や筋電などの生体情報から,ドライバーの心理状態を計測する研究が行われている.我々は,人間の脳波にフラクタル解析を行うことで,その人の意思や感性情報を取得する研究を行っている.ドライビングシミュレータを操作している時のドライバーの脳波計測しフラクタル解析することで,運転時の意思や感性情報を取得した.
著者
佐藤 高弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.534, pp.13-18, 2002-12-13
参考文献数
6
被引用文献数
34

「怒り」,「悲しみ」,「喜び」,「リラックス」などの4種類程度の感情に対応した10ch.程度の脳波信号を基準とし,フラクタル次元解析を用いた信号処理と認識処理によって各感性を定量的に評価する手法として,感性フラクタル次元解析法を提案する.頭部に配置したn個の電極間の電位差に対するフラクタル次元解析により得られる_nC_2個の変数の組を感情の特徴量として用い,これに線形写像などによる簡単な認識処理を適用することにより,各感情の強度を定量的に評価する.提案手法では,武者ら[l]による従来手法に比べ,認識に用いる感性の特徴量の数を同条件下で1/3に,同認識率下では1/9程度にまで抑えることが可能である.また,認識手法として線形写像を用いて行った評価実験では,学習時に用いていない脳波データに対する認識率の比較において,従来手法に比べて平均約30%の認識率向上がみられた.
著者
中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.95-105, 2010-08-30

本論文では,脳波やNIRS信号で見出されているフラクタル次元のような普遍的な性質の時空間特性を定量化することにより,感性を評価する新規手法を提案する.具体的には,感性フラクタル次元解析手法を用いて、視覚刺激に対する華やかさの感性解析を試みる。その結果,フラクタル次元を用いることで,ヒトの感性が客観的に計測可能であることが見出された.また、感性フラクタル次元解析手法をブレインコンピュータインターフェース(Brain Computer Interface:BCI)ヒューマンインターフェースに適用し、その有用性について検討を行う。ディスプレイに6つの図形を表示させ、1つの図形を黙視し念じた時の脳波信号について、感性フラクタル次元解析手法を用いて識別を試みる.その結果,意図した図形に対する認識率が最低でも50[%]以上得られたことから,頭でイメージしたことが入力可能な脳波キーボードの機能を持つヒューマンインターフェースとして応用できる可能性が示唆される.
著者
松田 祐真 中川 匡弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J105-A, no.7, pp.81-91, 2022-07-01

頭皮上脳波から情報を取り出し,使用者と機械とを繋ぐBrain Computer Interface (BCI)の研究が取り組まれ,感性の定量化が注目されている.深層学習技術の発展から,BCIの解析手法に深層学習アルゴリズムが用いられ,よい結果が報告されている.その一方,深層学習アルゴリズムはマシンパワーや大量のデータセットを必要とするなど,頭皮上脳波を用いたリアルタイムBCIとしての実装と運用には不向きな特徴も有している.本研究ではリカレントニューラルネットワークの一つであり,よりシンプルで高速なEcho State Network (ESN)を用いた手法を提案する.提案手法はESNの中間層出力の時系列をフラクタル解析することで高速に頭皮上脳波データの分類を行うものである.結果,ESNのフラクタル解析可能性が確認され,感性脳波データセットを用いた分類実験からよりリアルタイム性の高い実用的なBCIの構築可能性が示唆された.
著者
貝森 晃司 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.458, pp.125-129, 2010-03-02

生体信号のフラクタル性に関する研究は,医療や通信など様々な分野で進められている.脳波や音声信号においては,フラクタル性を用いた手法が,従来の手法よりも深い情報を得られる可能性が示唆されている[1-2]. これより,本研究では,感情が含まれる音声のマルチフラクタル解析を行う.これにより,感情によって音声のフラクタル性に違いが見られるかという比較を行った.解析の結果,通常/怒り/悲しみ/楽しみのそれぞれの感情によって,音声のマルチフラクタル性が異なる様子が確認された.
著者
中村 雄一 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.467-472, 2010-03-02

フィードフォワードネットワークを適当に構築すれば,与えられた連続関数を十分な精度で近似できることが関数近似定理として証明されている.しかし,この定理では関数を近似した場合の具体的な構造についての情報は扱われていない.本報告では,近似対象となる関数を多項式に限定し,それを近似する3層ネットワークのーつの具体的な構造を求める.ネットワークの構造はシステムパラメータで決定する.活性化関数が十分に滑らかな場合,システムパラメータは活性化関数のテイラー展開および行列演算から系統的に導かれる.提案方法から得られる3層ネットワーク構造は,学習則に対しても有効な情報を与えるものと期待できる.
著者
佐瀬 巧 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.465, pp.105-110, 2011-03-03

近年,脳波(EEG)を利用した脳機能研究が盛んに行われている.脳波の大部分を形成すると考えられているθ,α,β波の各帯域を観測・解析して脳機能を調査する研究が多々あるが,EEGの高周波成分の重要性を主張する研究報告もされている.我々は,EEGの高周波成分を捉えるフラクタル次元推定法を利用し,簡易な指タッピング実験により高周波成分の有用性を検証した.レスト時とタスク時のフラクタル次元を比較した結果,それぞれ約1.32,1.40と算出され,レスト時とタスク時でフラクタル次元が異なることが確認された.更に,フラクタル次元推定時におけるモーメント次数の高次化を行った結果,EEGの高周波成分がより顕著となることが示された.
著者
松村 浩昭 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.345, pp.63-68, 2006-11-07
参考文献数
10
被引用文献数
5

BCI (Brain Computer Interface)は人間の手足等の運動器官を用いず,生体信号のみでマン・マシンインタフェースを実現する技術である.本報告では,非侵襲で測定した脳波(EEG)のみを用いてヒューマノイドロボットを制御する,脳直結型制御システムの検討を行う.脳波の特徴量には従来手法におけるα波,β波等の周波数成分ではなく,フラクタル次元を用いる.また,階層型ニューラルネットワークにより脳波の時空間ダイナミクスを実時間で解析し,被験者の意志を判別,ロボットを制御するシステムを提案する.提案するシステムでは,ロボットに対する指令である「動作」,「停止」及び「動作」,「右」の2種類について,90〜100[%]での判別が可能な結果が得られた.また,「動作」,「停止」,「左」,「右」の4種類については30[%]程度の判別が可能である結果が得られ,脳波によるロボット制御可能性が示された.
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.442, pp.43-48, 2009-02-21

製品開発において,使いやすさの評価は重要な部分を占めており,製品の良し悪しは使いやすさで決まることも少なくない.製品の使い心地というものは非常に重要な要素の一つであるといえる.現在,製品の使い心地の評価には,モニターアンケートやSD法が一般的に使われる.しかし,これらの手法は評価対象が「曖昧な抽象的な概念」であり,個人の主観が強く影響することから客観的且つ定量的に使い心地を評価することが非常に困難である.その問題点を解決するために,本論文では,脳波を用いた製品評価を行った.具体的には製品を使用している際の脳波を用いて,感性フラクタル次元解析手法を適用することで,被験者が感じる使い心地の評価を行った.また,感性解析結果を用いて,多変量解析を行うことで各被験者の感性に影響を与えるパラメータを因子分析した.その結果,感性並びに主観評価に大きく影響を与えるパラメータを見出すことができた.このような結果は従来手法ではアンケートの得点から評価することが困難であるため,感性を指標とした新規評価法として期待される.
著者
古賀 博之 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.98, no.343, pp.25-32, 1998-10-22
被引用文献数
3

音声生成の分野では, これまで声帯音源・声道・空間放射を組み込んだ様々なモデルが提案されている.しかし, 生成音声にカオス特性を含める方法については考慮はされておらず, ほとんどのモデルのふるまいはカオス的でない.本研究では, 声帯の振動機構に指数関数型のバネや粘性を用いた, カオス的性質をもつ音声生成モデルを構築した.結果として, 本研究モデルの合成音声の最大リアプノフ指数が正で, リアプノフ次元が非整数となることを示す.
著者
田中 剛 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1826-1843, 1996-11-25
被引用文献数
9

本論文において,パラメータ制御を伴う区分線形周期写像を用いた,自己想起モデルが提案される.実際,本モデルの活性化関数は,ネットワークの準安定状態である偽記憶に陥ることなく,高い記憶容量を実現するため,単調周期写像の間を非単調周期写像を経て制御される.また,本モデルは,周期写像に基づくカオスカ学により,カオスを用いた記憶探索モデルを構成でき,更に入力に関する情報を外部刺激として与えることにより自己想起が実現される.計算機シミュレーションの結果から,本モデルは,探索モードにおいてでさえ,記憶率L/N〜0.5までは完全想起が実現されることが見出された.更に,ネットワークを非同期的動作させることにより,想起特性の改善,および,記憶容量が向上(探索モードにおいて記憶率L/N〜0.56)が確認され,ネットワークの非同期動作におけるカオスの有用性が見出された.
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.97-104, 2011-07-31
被引用文献数
2

近年,ヒトの生体信号を解析することで感性の定量的評価を試みる研究が取り組まれている.中でも,ヒトの感情は脳の活動と密接に関係していると考えられ,脳波を解析することで感情の定量化を試みる手法として,感性スペクトル解析手法(ESAM),感性フラクタル次元解析手法(EFAM)が提案されている.本研究では,脳波のフラクタル次元を特徴量として感性の定量化を行うEFAMの拡張として,脳波のマルチフラクタル次元を用いた感性解析を試み,既存技術であるESAM,EFAMとの比較を行った.具体的には,被験者16名に対し,「喜怒哀楽」の基本4感性について想起の持続性・再現性の実験を実施した.その結果,提案手法はEFAMに比べ,学習誤差等は増加し,一つひとつの感性の認識率は低減するが,4つ全ての感性が偏り少なく認識できることが確認できた.マルチフラクタル次元を特徴量として用いることにより,感性に寄与している特徴を適切に抽出でき,認識可能な感性の偏りが低減されたものと考えられる.また,学習に用いる時系列データのばらつきを抑えることで,認識率が向上する可能性が示唆された.
著者
宮原 誠 名塚 悦郎 吉田 育弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.905-911, 1985-10-20
被引用文献数
1

人間の色彩感覚を適確に表現し, かつその尺度を均等に表現する表色系であるマンセル(HVC)表色系に注目し, カラー画像の伝送時に生ずるひずみを色知覚の許容限以下にするような色立体分割方法を考案した.また, 量子化された色情報の代表値を予測符号化する伝送方式を検討した.この結果, エントロピー約3.5(bit/pixel)で, ほぼ満足できる画質の画像を伝送できた.色感覚をあらわすH, V, Cは互いの独立性が良いので, Y, I, Qと比較した場合, 色情報を無駄なく符号化することができ, また輪郭部の情報損失も少なくできるなど, 多くの利点がある.
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.219, pp.41-46, 2008-09-18

製品開発において,使いやすさの評価は重要な部分を占めており,製品の良し悪しは使いやすさで決まることも少なくない.製品の使い心地というものは非常に重要な要素の一つであるといえる.現在,製品の使い心地の評価には,モニターアンケートやSD法が一般的に使われる.しかし,これらの手法は評価対象が「曖昧な抽象的な概念」であり,個人の主観が強く影響することから客観的且つ定量的に使い心地を評価することが非常に困難である.その問題点を解決するために,本論文では,脳波を用いた製品評価を行った.具体的には製品を使用している際の脳波を用いて,感性フラクタル次元解析手法を適用することで,被験者が感じる使い心地の評価を行った.また,感性解析結果を用いて,多変量解析を行うことで各被験者の感性に影響を与えるパラメータを因子分析した.その結果,感性並びに主観評価に大きく影響を与えるパラメータを見出すことができた.このような結果は従来手法ではアンケートの得点から評価することが困難であるため,感性を指標とした新規評価法として期待される.
著者
安倍 大介 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.50, pp.27-31, 2009-05-15

世の中には,人間が移動する手段として自動車や電車など様々な交通機関が存在する.技術的な進歩により機械的要因での事故は減少しつつあるが,人的な操作や判断ミスによる事故は未だに絶えない.人的要因での事故を解析する為に,現在では心拍などの生体情報を用いた運転時における人間の心理状態の変化について実験や研究が行われている.それに対して我々はフラクタル解析を用いて,人間の脳波から定量的に運転者の心理情報を取得する手法を提案する.本手法を用いる事で,これまで困難だった時間的に変動する人間の心理状態を定量的に計測する事が可能である.これを用いてドライビングシミュレータを使った運転時における人間の心理状態を計測し,運転状況と心理状態の移り変わりの解析を行った.
著者
小此木 慎哉 畑田 敏雄 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.574, pp.39-44, 2007-02-27

本研究では「安静」,「メタ認知」,「メタメタ認知」の3種類の思考状態に対する脳活動を定量的に計測・識別することを目的とする.脳波のフラクタル次元解析を行うことで,脳波信号の特徴量を抽出し,思考状態の計測・識別を行う.その結果,意図した思考状態に対応する出力の割合が大きいことから,どの思考状態にあるかを識別しうることを見出した.さらに,ストループ試験を実施し,思考状態が学習効果に与える影響についてフラクタル理論を用いて検討を行った.その結果,メタ認知が学習効果に影響を与えることを確認した.本研究の結果,メタ認知,あるいは,メタメタ認知の修得度を評価する"学習効果計測装置"としての応用の可能性が示唆された.