- 著者
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木内 敦詞
荒井 弘和
浦井 良太郎
中村 友浩
- 出版者
- 社団法人全国大学体育連合
- 雑誌
- 大学体育学 (ISSN:13491296)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.3-14, 2006-03-15
本研究の目的は、身体活動ピラミッド(Corbin & Lindsey, 1997)の概念と行動変容技法を取り入れた半期の体育授業が、日本の大学の初年次男子学生(N=322)の身体活動量に及ぼす影響を検討することであった。非介入群(N=156)は「健康関連体力テスト2回」「講義1回」「スポーツ活動9回」を含む授業を受講し、介入群(N=166)はそれに加えて身体活動増強のためのプログラム「身体活動ピラミッドの概念学習」「行動変容ワークシートの実践」「日常における身体活動状況のモニタリング」を含む授業を受講した。受講の前後で日歩数は変化した(非介入群7841±2965歩-7693±2781歩[-1.9%]、介入群7890±2821歩-8546±2861歩[+8.3%])。分散分析の結果、非介入群に対する介入群の日歩数増加が示された。この介入群における日歩数の増加は、平日よりも休日の歩数増加に起因していた。身体活動評価表(涌井・鈴木,1997)を用いて受講前・受講後・追跡期における身体活動パターンを検討した結果、低い強度の身体活動量「日常活動性」ではいずれの測定時期においても両群に有意な差異は認められなかった。一方、中等度以上の強度の身体活動量「運動・スポーツ」では、受講後において非介入群に対する介入群の有意な高値が示されたが、受講終了3カ月後の追跡期では、「運動・スポーツ」における両群間の有意な差異は示されなかった。結論として、身体活動ピラミッドの概念学習と行動変容技法を取り入れた体育授業は、受講期間中、日本の大学の初年次男子学生の身体活動を増強することが明らかとなった。