- 著者
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得丸 公明
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.111, no.119, pp.49-54, 2011-06-30
- 被引用文献数
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西洋の論理学においては,言語命題のみが扱われてきた.日本には日本論理学会も存在しないし,言葉の論理を積みあげること自体が好まれない.イエルネのネットワーク理論とピアジェの心理学を参照にして,日本と西洋の違いを,生命体のもつ論理と記憶の記号メカニズムによって解明することを試みる.記号論において,言葉に意味はなく,言葉の意味は個人の体験記憶である.同様に言語表現の論理性は,言葉自体によって保証されるのではなく,言葉に意味を与える意識が保証するものである。言葉の記号は意識の論理回路で反射的に処理されるので,その構築が重要となる.言語以前の論理学を理解すると,言葉の正しい使い方,言葉の正しい意味付け方を理解でき,先人の努力と言葉を継承して前進することができる.