著者
河瀬 諭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.93-98, 2011-08-19

本研究の目的は,アンサンブル演奏における視覚情報の役割について,タイミング調整の側面から検討することである.そのために,ピアノデュオ演奏において,様々に視覚情報を制限した際の演奏者間のタイミングのずれを計測した.実験1では,非対面条件,頭部のみ見える条件,頭部以外見える条件,対面条件での演奏について検討した.その結果,非対面条件以外で,ずれは十分に小さく,条件間でずれの大きさに差は無かった.実験2では,頭部の動作の有無について実験を行った.その結果,頭部を固定すると,ずれの大きさは非対面条件よりも小さく,頭部の動きが自由な条件よりも大きかった.これらの結果から,タイミング調整には,演奏者の動作が寄与しているものの,視線などの頭部に含まれる手がかりも用いられていることが示唆された.

言及状況

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