- 著者
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井上 優
- 出版者
- 日本橋学館大学
- 雑誌
- 日本橋学研究 (ISSN:18829147)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.1, pp.33-44, 2011-03-31
キノ雅弘監督による『鴛鴦歌合戦』(1939)は、第二次世界大戦前中の作品ではあるが、日本におけるミュージカル映画の可能性を探求した先駆的な作品として現在再評価が著しい。そもそもそれはこの時代の日本映画の実験的精神とマキノの音楽的感性が化学反応を起こして生まれた作品である。日本橋を物語の出発点とするこの映画は、さらには脚本家小國英雄との共同作業によって生まれたマキノの実験性を象徴すると言っていい。その事実に基づいてこの作品の魅力をここでは検証していく。