- 著者
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南條 佳代
- 出版者
- 佛教大学
- 雑誌
- 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, pp.181-193, 2012-03-01
『枕草子』において、書に関する多くの記述がなされている。これは、書に造詣が深い清少納言ならではの書道観として、この時代の書風や様子を著しているのである。では、随筆である『枕草子』での書の扱われ方は、実際にこの物語が書かれた平安時代の書と、どういった関わりがあるのだろうか。本文において、紙(料紙)や消息文、添え物、書風の分析を加えながら検証していきたい。さらに、本稿では、『紫式部日記』より紫式部における清少納言の人物評について見ていき、それを踏まえた清少納言の書の捉え方、またこの時代の書の扱われ方について考察し、明確にしていくものである。