- 著者
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松原 崇
佐藤 貴宣
- 出版者
- 国際ボランティア学会
- 雑誌
- ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.85-98, 2011-12-28
本研究の目的は、障害疑似体験の可能性について、新たな観点を提示することである。一般に、従来の障害疑似体験は車いすやアイマスクのような補装具や拘束具を用いて、健常者の身体上に障害者の身体状態を再現することで可能になると考えられてきた。しかし、こうした障害疑似体験に対しては障害学や障害当事者団体より批判的な見解が提出されてきた。本研究では、体験は人々の間のコミュニケーションを通じて協働的に構成されると考える社会構成主義の観点に依拠して考案したワークショップ『バリバリツアー』を事例として、新たな障害疑似体験の方向を提示した。すなわち、障害の疑似体験は、障害当事者に寄り示い、障害当事者と協働である事柄を障害(ディスアビリティ)として意味付ける過程に参加することによって可能になるとする障害協働体験を提案した。