- 著者
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大塚 正之
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.111, no.320, pp.81-84, 2011-11-19
- 参考文献数
- 9
場の考え方は古くから東洋にあるものである。場的思考の特徴は主客非分離、自他非分離にある。近代は、主観と客観とを異なる存在として把握し、また、自己と他者とは全く異なる存在であるとする。自由な主観が必然性のある客観を個物とその因果関係として理解し、他者は自己にとって客体となる。しかし、場の量子論や脳科学は、主観と客観とは明確に分離できるものではなく、また、自己と他者は深く結びついていることを明らかにしている。この主観と客観とが相互作用する場、自己と他者が相互作用する場がまず存在し、そこから主観と客観、自己と他者が生まれてくると考えるのが場的思考であり、これを基盤とする哲学が場の哲学である。人間と似たコンピュータを創るには場的思考に立脚する必要がある。