著者
池田 和浩
出版者
尚絅学院大学
雑誌
尚絅学院大学紀要 (ISSN:13496883)
巻号頁・発行日
no.63, pp.31-41, 2012-07

本研究では、想起された記憶から誘発された感情価と認知的覚醒度、および思考に費やす時間の長さが発散的思考の生成数に与える影響を検証した。実験では、90名の大学生が、ポジティブな記憶想起条件と、ネガティブな記憶想起条件、中性的な記憶想起条件の3群に振り分けられた。記憶想起後、参加者は一般的感情尺度およびGACLに回答した後、3つのテーマのいずれかで発散的思考課題を行った。実験の結果、特に活性アラウザルの高い女性の参加者において、ポジティブな感情価が、ネガティブな感情価に比べ、アイディアの生成を促すことが確認された。また、短い思考時間(3.5分)に比べ、長時間の思考(14分)がアイディアの生成を促すことが確認された。これらの結果に基づいて、創造的アイディア生成に促進的な影響力を持つ要因について考察を行った。

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