著者
中村 康香 跡上 富美 竹内 真帆 吉沢 豊予子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Maternal health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.313-321, 2012-07-01
参考文献数
19

入院中の切迫早産妊婦がどのように妊娠を受けとめているのか明らかにするため,産科を取り扱う7医療施設において,切迫早産の診断がつき, 1週間以上持続点滴を伴う治療にて入院している妊婦189名に対して,妊娠についてどのように思っているかについて自由記述の回答を依頼した。分析は,自由記述の内容を,質的帰納的に分析した。その結果,肯定的受けとめとして,【うれしさと感動】【母親とわが子の実感】【付き合っていけそうな妊娠】【妊娠によるメリットを実感】【人生の糧となる体験】【家族とのつながりを実感】【出産を意識】【感謝の気持ちを実感】の8つのカテゴリ,両価的受けとめとして,【妊娠の喜びと不安】【妊娠の現実感と非現実感】【妊娠の喜びとつらさ】【妊娠継続と早期終了】の4つのカテゴリ,否定的受けとめとして,【拒否したい妊娠】【予想と異なる妊娠】【他人事の妊娠】【不安だらけの妊娠】【自分への負担がある妊娠】の5つのカテゴリが認められた。入院している切迫早産妊婦に対して,胎児の安全性が確保されるような支援を行い,妊娠に対する受けとめが少しでも肯定的になるように援助していくことが大切である。

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