著者
山田 健司
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.19-26, 2012-06-10

2011年3月11日の東日本大震災によって甚大な被害をうけた被災3県(岩手・宮城・福島)の被災死亡者は約1万5000人である。このうちの約9割の死因が津波による水死であった。3県合計の被災死亡者年齢構成比は,50歳以上77%,60歳以上65%等となっていて,通常の中高年齢構成比の2〜3倍に及んでいる。また県別の年齢構成比も3県とも同様の比率を示しており,さらに各県の市郡域においてもほぼ全部で類似した比率となっている。被災地域の地形は異なり,これにより死亡率や津波の波高には大きな差が生じているが,死亡者の年齢構成比は一様に類似している。一方,人口減少高齢化地域の平日昼間の人口年齢構成比が,被災死亡者年齢構成比と酷似していることから,被災死亡者は平日昼間に家屋内にいた中高年者であると類推する。この推理は線形回帰分析結果による高い関連性によって裏づけられる。死亡者の群像は高齢化地域の特徴を転写したものといえる。

言及状況

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東日本大震災と関東大震災の被害状況の比較をしたい。 (地域別の死者数、倒壊建物数などを一覧して比較する表を作成したい。死亡要因も比較したい)

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