著者
飯田 隆夫
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 文学部編集委員会 編 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.41, pp.53-70, 2013-03

明治六年七月、権田直助は相模大山阿夫利神社の祠官としたが、神仏分離後の混乱した山内の改革を幾つか行ったが、そのうちの一つが奈良春日大社に伝わる倭舞・巫女舞を富田光美から伝習することであった。その伝習当時の倭舞歌譜が伝存されているが先行研究者はその歌譜と奥書に注目した。富田光美の家系は途絶していてこの歌譜の原本の存在は不明である。明治元年以降、春日社社伝の倭舞・巫女舞は富田光美夫妻によって全国に伝習されたが、先行研究と大山阿夫利神社・金刀比羅宮・春日社の歌譜を比較検討によって大山阿夫利神社の歌譜が原本に近いとの推定が可能である。富田光美は幕末期から明治維新の転換期に神社国家神道化の下、神社に奉納される神楽は富田家が相伝してきた倭舞・巫女舞が古儀に倣う最も相応しいものとして、白川家関東執役古川躬行や明治政府の後ろ盾で全国著名神社に伝習した。その伝習内容と背景を相模大山と関連させ論考をはかる。倭舞歌譜富田光美巫女舞東幸と雅楽制度芸能統制

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