著者
佐久間 重
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-42, 2013-03-31

本論は,ラインホールド・ニーバーが彼の著作『人間の本性と運命』の中で正義をどのように解釈しているかを詳述したものである.ニーバーの解釈を通じて,キリスト者は社会的正義をどのように捉えているかを明らかにすることを狙いとしている.ニーバーは,歴史的状況の中で人間が正義を実現するための手段や,正義が確立した理想的な社会を提示することはない.社会の中で同胞愛の理想を求めながらも,歴史から戦争や悪政を取り除くのは不可能であるとしても,より高度の正義の実現に努力することが重要であるとしている.ニーバーにとって,正義の樹立に近づける現実的な状況が諸勢力の均衡状態である.

言及状況

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@fujiko_mika ※政治学者としてのサンデル教授の立ち位置について、この論文の序論が近現代の正義論の説明としてとても理解しやすいと個人的に思います。(異論反論は専門家に任せるとして) https://t.co/qe5Su5DFO3

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