著者
宮入 恭平
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.117-127, 2012

2011年3月11日に発生した東日本大震災によって引き起こされた東京電力の福島第一原子力発電所事故は、日本国内における原子力エネルギー政策を根本から問い直す契機になった。3.11が発生してから時間の経過とともに、「絆」や「がんばろう!日本」といった言説は希薄になった。その一方で、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアを中心に叫ばれてきた反原発の声は、テレビや新聞といったマスメディアからも聞かれるようになった。チャリティに偏向していたポピュラー音楽シーンにも、反原発を掲げる政治性に注目する動きが見られるようになった。 第二次世界大戦後の日本では、商品としてのポピュラー音楽に偏向するあまり、音楽の政治性が可視化されづらい状況にあった。しかし、ポスト3.11の原発問題によって、音楽と政治の関係は無視できないものになっている。本稿では、日本のポピュラー音楽シーンにおける反原発運動を検証しながら、音楽の存在意義について考える。

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以前書いた論文で、プッシー・ライオットについて(わずかだが)触れている。https://t.co/jRB3oD0oS4

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