- 著者
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三品 桂子
- 出版者
- 花園大学
- 雑誌
- 花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.63-83, 2013-03
本稿の目的は、アウトリーチのスキル、特に家族から相談を受け、ACT のスタッフがアウトリーチ活動を行い、利用者と支援契約を成立させるまでのプロセスで用いるスキルを明らかにすることである。調査対象機関は日本版ACT フィデリティ尺度の値が比較的高い日本の3つのACT チームである。調査期間は2006年3月〜2008年12月であり、事例記録、スタッフへの半構造化面接、フォーカスグループ、ミーティングや訪問場面の参与観察、出版物などをデータとし、そのデータをM-GTAで分析した。ACT における【出会い】のスキルは、≪家族と出会う≫≪家と出会う≫≪利用者と出会う≫スキルから成り立っており、22 の概念が生成された。なお、本稿では、スキルとは「重い精神障害のある人に対して、ACT の理念を基盤として、質のよいサービスを提供する際にスタッフが用いる知識、認知、行動(言動)」と定義し、ACT の利用者とその家族を対象とするミクロレベルのスキルを中心に明らかにした。