著者
枇々木 規雄 尾木 研三 戸城 正浩
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.42-65, 2012
参考文献数
21

小企業向けの信用スコアリングモデルは主に財務指標から個別企業のデフォルト確率を推定する統計モデルである.デフォルトは固有ファクターだけではなく,すべての企業に共通するマクロファクターの影響も受ける.推定デフォルト確率(推定PD)と実績デフォルト率(実績DR)の一致精度を高めるにはマクロファクターを説明変数に加えることが望ましいが,デフォルトに関する時系列データの蓄積が不十分なため,回帰分析などによって具体的な指標を特定することが難しいという課題がある.一方で,2007年頃から始まった急速かつ大幅な景気悪化によって,実績DRが推定PDを上回る状況が続いており,マクロファクターを加味することの必要性が高まっている.そこで,本研究では日本政策金融公庫国民生活事業本部が保有する約54万件の豊富なデータを用いて時系列データの不足を補い,具体的な指標の選択を行った.その結果,マクロファクターとして前月デフォルト率が有効であり,前月デフォルト率を説明変数に追加した新モデルを構築すると,推定PDと実績DRとの乖離が最大で0.72%ポイント縮小するなど,推定PDの一致精度を改善することができた.

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こんな論文どうですか? 信用スコアリングモデルにおけるマクロファクターの導入と推定デフォルト確率の一致精度の改善効果(枇々木 規雄ほか),2012 https://t.co/OXX5aca3WK
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