著者
梅村 卓
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.1-15, 2013-04-25

本稿は,1983年末に中国で展開されたブルジョア精神汚染批判キャンペーンを,特にメディアを中心に考察したものである。胡喬木と胡績偉との間に「党性」「人民性」をめぐる論争が交わされ,メディアが「党の口舌」として世論をコントロールするのか,「人民の口舌」として世論による監督機能を果たすのかが争われた。この時期は中国共産党内においても保守派,改革派の間でメディア政策が揺れ動いていた。現在までのメディア統制を視野に入れた場合,この運動は党がメディア統制を構築する重要な過程となったと言える。そして「党性」「人民性」の問題は,メディアの監督者が誰であるべきかという点で,今日の中国においてもなお検討されるべき課題となっている。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

「メディアが「党の口舌」として世論をコントロールする」(中国共産党)⇒二次資料ですが、https://t.co/2GPtFgmA6N https://t.co/CLnH0XVZYz

収集済み URL リスト