著者
黒川 由希
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.16-29, 2013-04-25

王韜(1828-1897)の文言筆記小説集『淞濱瑣話』と旅行記『漫游随録図記』は,上海の新聞『申報』の副刊『点石斎画報』に1887年より付録として同時に連載された。『淞濱瑣話』には明清文学の流れを継ぐ「艶史」が多数収録されているのに対し,『漫游随録図記』には,近代欧州の見聞が記されている。対照的に見える二書からは,明清文人の末裔としての王韜が如何に近代ヨーロッパの風俗を受け止めたのかの軌跡を窺うことが出来る。本稿は近代中国で最も早く女性の権利拡張に関心を示した思想家の一人である王韜の女性像に焦点を当てることで,19世紀後半上海に生活した中国知識人の女性観の一端を解明しようと試みるものである。

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CiNii 論文 -  近代中国知識人の女性観 : 王韜『淞濱瑣話』『漫游随録図記』を例に http://t.co/OTcbfI4Sx2 #CiNii

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