著者
笹川 喬介 和泉 順子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.27, pp.1-6, 2013-09-04

報道などで誹謗中傷に関する事例が取り上げられる際、インターネットの持つ 「情報の拡散」 や 「匿名性」 といった特性によって誹謗中傷問題が不特定多数に拡散・増加した、悪質化した、と指摘される傾向がある。しかし、誹謗中傷はインターネット上だけに生じる問題ではなくインターネット以外の実空間に従来から存在している問題であり、この指摘は実空間での問題が顕在化または注目されていないための相対的な評価であるとも考えられる。つまり、指摘される誹謗中傷問題の増加や悪質化が実空間からインターネット上に転移した際に特に着目されただけと考えると、「インターネットが問題」 なのかは不明瞭である。本論ではインターネットとインターネット以外の実空間における誹謗中傷問題の違いについて、情報を流通するメディアの観点から検討を進め、絶対的な指標として誹謗中傷問題の発生件数を調査した。その結果、インターネットだけではなく実空間を含んだ誹謗中傷問題の発生件数自体には増加傾向は見られないことが分かった。その上で、誹謗中傷問題の悪質化に関して、インターネットの特性による変化と実空間への影響について考察する。Libel and slander problems on the Internet were often reported by mass media maliciously due to the abilities of the internet as the media, such as anonymity or diffusivity of the information. However, libel and slander also has been existed actions in the real society in the past. Thus, in this paper, we considered the influence of the behavior on the Internet against libel and slander problems through the study using the objective statistical data.

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