著者
田島 忠篤
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.53-71, 2013-06-28

本稿は、日本の新宗教の出現がとくに村落-都市移動を指標とする近代化と関連しているかを検証することに焦点をあてている。農村-都市移動が新宗教への加入を説明するのに有効かを明確にするために、まず、歴史的に新宗教出現の社会的背景を示し、この成果を基に新宗教とは何かを定義する。次に、農村-都市移動と新宗教への加入を扱った先行研究をレビューし、最後に、1970年代後半から教勢を伸ばしてきた「新・新宗教」および現代の「スピリチュアリズム」(島薗氏の新霊性運動)と新宗教とを区別する際に、農村-都市移動が有効な指標となることを述べる。すなわち新宗教は都市移住経験者を対象としており、新・新宗教およびスピリチュアリズムはその下の世代を対象とした社会現象であるということである。

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