著者
瀧本 佳史 青木 康容
出版者
佛教大学
雑誌
社会学部論集 (ISSN:09189424)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.51-67, 2013-09-01

沖縄県は都道府県の中でもっとも地籍調査が進んでおりその進捗率はほぼ100%にも達するという。その理由は先の戦争に起因するところが大きい。本稿は沖縄県の地籍調査が戦後の米軍基地化によって一層困難になりながらも,1972 年の日本復帰以前と以後においてどのように取り組まれてきたのかを示すと共に,なお土地所有関係が確定しない境界不明土地がどのように地域的に偏在しているのか,それによってどのような地域問題を抱えることになったのかなどについて説明する。それによって,進捗率が高いことが必ずしも土地問題を解決したわけではないことが明らかになるだろう。

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