著者
小磯 花絵
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.110-117, 2013-10

本稿では,共同研究プロジェクト「会話の韻律機能に関する実証的研究」の中間報告を行う。最初にプロジェクトの目的について簡単に触れたあと,プロジェクトの研究成果の一つとして,アクセント句の複合境界音調(Boundary Pitch Movement, BPM)の分析結果について紹介する。この研究では,プロジェクトメンバーが構築に携ってきた『日本語話し言葉コーパス』を対象に定量的に分析を行い,独話と対話のいずれにおいても,上昇調や上昇下降調といったBPMが意味的・統語的に強い切れ目で生じる傾向にあることを明らかにした。この結果は,BPMが発言継続性の表示機能という共通した役割を独話と対話において担いうることを示している。

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