著者
香曽我部 琢
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.117-130, 2013

本研究では,保育者が自らの転機についての語りから,転機の要因や転機における保育者の自己の変容について明らかにすることで,現代社会において保育者に求められる専門性について検討を行う。具体的には,まず,保育者の成長に関連性が強い保育者効力感を縦軸としたライフラインを記入し,それを刺激素材として保育者の転機の時期やその要因,プロセスについて半構造化インタビューを実施する。そして,そこで得た言語データをSCAT (Steps for Coding and Theorization)を用いて分析を行う。その結果,転機の要因として3つのカテゴリーと異動との関連性が示された。そして,保育者が転機をi問題認識,ii省察,iii将来の展望,iv困難な状況の発生,v他者との相互作用の活性化,vi他者との実感と展望の共有,以上6つの段階のプロセスとして認識していることが明らかとなり,他の保育者と実践コミュニティを形成し,将来の展望を共有することの重要性を示した。

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