著者
村舘 靖之 須藤 修
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.3-9, 2013-08-31

本稿は貨幣と情報文化という観点からの試論である。貨幣の本質は,情報であり,文化である。我々は貨幣の4次元性という概念を提示する。貨幣は,時間と空間を越えて移動が可能な存在である。情報概念も時間と空間を越えて容易に移動する存在である。貨幣と情報は,4つの次元を容易に移動ができるという共通点を持つ。貨幣は自然界ではなく,人間によって生み出された文化である。今,ここで情報貨幣論について論じるのは,貨幣の存在,その情報・文化的性質が,貨幣経済に内在する本質的な不安定性,つまり貨幣的不均衡を生み出すからである。経済危機に代表される貨幣経済の不安定性や不均衡のあらわれは,標準的な動学的一般均衡理論に貨幣に関する新しい理論を加え,補完する必要性を示唆している。

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村舘靖之・須藤修[2013]「情報貨幣論に向けて : 貨幣・情報・不均衡」 http://t.co/DKJVEouoS2 #CiNii さらっと短いのでもうちょっと展開していただきたいかな。

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