著者
大久保 京子
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.37-52, 2014-03-01

各地に伝承と共に存在する「義民」は、江戸時代においてはその土地で英雄であった。中でも佐倉惣五郎は、歌舞伎の流行もあって、よく知られた存在であっただけに、民権運動に利用されることとなる。きっかけとなった内のひとつに福沢諭吉の著作「学問のすゝめ」がある。暴政を行う政府に対し、正当に抵抗を続ける存在として「義民」を「民権家」に照らし合わせたのである。その後民権家によって多くの義民伝承が収拾、著述され、顕彰が行われたが、『東洋民権百家伝』により、全国の義民伝承の収拾がされている。本稿では、佐倉惣五郎の義民伝承の整理と共に、明治期の中でも自由民権運動の展開に「義民」がどのように利用され、影響したのかについて考察する。

言及状況

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「権利を要求する」と復権、名誉回復の視点がなければ、義民は国や組織の奴隷に扱われる 「江戸時代に圧政下に苦しむ農民の代表として権力に反抗し、怨霊となった後祀られた義民が、明治期に民権家となり、大正・昭和期になると大日本帝国の滅私奉公の臣民となっていった」https://t.co/AtrIcQDXj9
"CiNii 論文 -  義民伝承と明治期におけるその変遷について" http://t.co/2V5DfVKZPs ※本文リンク有り

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