著者
加澤 昌人
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.69-85, 2014-03-01

本論では、米沢藩二代藩主上杉定勝を生涯にわたって支えた直江兼続の妻おせん(後室=上杉家の呼称)の人物像を『上杉家御年譜』を中心にして論じ、次の点を明らかにした。兼続の死後も後室のために直江家は藩によって維持され、後室は、定勝に対し助言を行い、藩の上級役人を自由に動かせる立場にあること、藩主の婚家である大名家と応対ができ、幕府の証人にもなるという、大きな力を持ち特別な立場にある姿を明らかにした。また、後室の前夫直江信綱出自の総社長尾家の再興と、後室を上杉家の一員として高野山において供養するという点から、定勝の後室に対する生前と死後の孝行について明らかにし、後室が定勝の母としての立場を持つことも指摘した。さらに、直江家関係の文書が上杉家文書に多数含まれることと、その保存状況から、これらの文書は後室から定勝へ継承されたもので、ここでも両者の密接な関係を指摘した。

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CiNii 論文 -  直江兼続後室(おせん)と上杉定勝 https://t.co/2puB9VCHXj

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