著者
北野 元生
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 文学部編集委員会 編 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.42, pp.169-185, 2014-03

俳人であり歯科医療に携わった歯科医師であった西東三鬼が診療人とくに歯科診療人として詠んだ「診療俳句」を取りあげ、その文学性及び現代性について論考した。三鬼の俳句については、平易な用語を使用しており、その内容も明快であり、一般人にとっても理解しやすいと言えよう。彼の俳句は彼の人柄や彼の来し方を反映して貧しい人や孤児に対して情感を寄せている作品が多い。患者個々人に向けた診療行為を詠んだ俳句作品は極めて小さなものに過ぎないとはいえ、その作品が内在する本来的な人道思想や博愛思想に通ずる救済観と生命観がその句の中で沈静するものでは決してないことを明らかにした。さらに本論文では、「診療俳句」という分野が俳句の一分野であることを指摘した。「診療俳句」の輪郭をつけることの意義は決して小さいものではない。西東三鬼歯科医療診療俳句新興俳句山口誓子

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CiNii 論文 -  西東三鬼研究 : 医療人とくに歯科医療人として詠んだ俳句を中心に https://t.co/GyLIF6gktH #CiNii

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