- 著者
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窪薗 晴夫
- 出版者
- 国立国語研究所
- 雑誌
- 国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.1-7, 2014-06
日本語諸方言のアクセント体系が高さ(ピッチ)にもとづく「ピッチアクセント体系」であることは日本語音声研究の中で常識とされていることであるが,日本語以外の言語から見ると必ずしも自明のこととは言えない。実際,「ピッチアクセント体系(言語)」という類型概念そのものを否定する研究者も数多い。本稿は,2010年に本プロジェクトが主催した国際シンポジウムISAT 2010の成果(Lingua 122特集号)の一部を報告する形で,日本語の研究が一般言語学や言語類型論に貢献できる可能性を指摘する。