- 著者
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萩原 英敏
Hidetoshi HAGIWARA
- 雑誌
- 淑徳短期大学研究紀要 = Bulletin of Junior College of Shukutoku (ISSN:02886758)
- 巻号頁・発行日
- no.53, pp.39-52, 2014-02-25
乳幼児期の親子関係の問題が、青年前後の時期の人格に-ここでは臨床的症状の中で、不登校と神経性食欲不振症を取り上げる-どう影響するのか、先行研究、統計資料、筆者を含めた臨床ケースなどから分析したところ、3歳未満児保育の問題点が、以下の様に浮かび上がってきた。1.3歳未満児の正当性でよく引用されている、菅原の縦断的研究は、青年期前後の対象者の少なさ、又調査対象を途中でドロップアウトした対象者をコントロール群に用いていないなど、その研究結果の信憑性に問題が残る。2.3歳未満児保育対象者の増加と、不登校発症児の増加は、有意に高い相関を示し、3歳未満児保育が不登校の原因の1つと考えられる。3.不登校や神経性食欲不振症の臨床ケースから、その根本原因を追及すると、乳幼児期の親子関係の問題が浮上してくる。これは3歳未満児保育の存在そのものに、疑問を投げかけるものである。