著者
宮坂 宥勝
出版者
智山勧学会
雑誌
智山學報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.37-57, 1992-03-31

チャンダーラ(Candala漢訳:旃陀羅)は古代インドにおいて前五世紀頃の初期仏教の時代以後に登場する。古典的な四階級(caturvarnya=varna種姓)以外の最下層の存在として、である。大乗仏教では第四階級に含まれるものとするのと、階級に組みこまれないところのいわゆるアウト・カースト(out-caste)とするものとの、二つの立場が認められる。初期仏教以来大乗仏教、密教に至るまで、全仏教史の展開のなかで、チャンダーラはいかなる意味においても常に無視すべからざるものであった。というのもチャンダーラ観は仏教の人間観と深く関わってきたからである。(1)階級批判もしくは社会的差別の否定の対象としての存在。(2)救済譚における存在。(3)出家についての比喩として。(4)差別是認または社会的差別さらには蔑視の対象。(5)尊格化。(6)その他。本論文で取りあげる主要テーマはこのうちの(1)と(2)とである。

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メモ:旃陀羅の史的考察1~3 宮坂宥勝 A historical contemplation of Candala(旃陀羅) http://t.co/VCfHqYWCeG http://t.co/VP0dcolI9I http://t.co/oKAoOhg6PU

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