- 著者
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村舘 靖之
- 出版者
- 情報文化学会
- 雑誌
- 情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.1, pp.5-12, 2014-08-31
パレートの政治理論・経済理論・社会理論と,ソシュールの言語理論を情報文化という観点から統一的に論ずることが課題である。19世紀末から20世紀初頭にかけてスイスで活躍したパレートとソシュールの理論は,価値のシステムに関する共時的・通時的理論を論じようとした点で共通性がある。言語と貨幣,制度と情報文化という観点からバレートの経済学・社会学に関する著作と,ソシュールの言語学に関する議論を比較検討することを試みる。パレート社会学における不変なるものと可変なるものは,それぞれ残基と派生と呼ばれている。これがソシュールの言語学における語根と派生語の関係に対応していることはよく知られている。本稿は,価値のシステムという観点からパレートの一般均衡理論,エリートの周流論,一般社会学とソシュールの一般言語学を比較し,その共通性を明らかにしたい。