著者
木下 衆
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.28-37, 2012

本稿は、「査読」を一つの制度的場面と捉え、「査読される側」にどのような振る舞いが求められるのかを分析する。そのために本稿は、日本保健医療社会学会・2010秋の関西定例研究会での、拙稿「家族による『認知症』の構築-『認知症』カテゴリーに基づくトラブル修復」を用いた模擬査読を例に、査読過程をエスノグラフィックに記述していく。筆者は、天田城介(Field note 10.9.18)にならい、査読を「コミュニケーション」と「評価」の二つの側面を持つものとして分析する。その上で筆者は、査読される側にとって重要なのは、査読者のコメントを徹底的に評価項目に還元し、それに答えていくことだと主張する。これが査読において投稿者に求められる振る舞いであり、査読における倫理問題はこのように技術的に解消されるべきだと、筆者は主張する。

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【情報収集】木下衆.2012.「査読される側の倫理――ある模擬査読のケーススタディ」『保健医療社会学論集』23(1):28-37. http://t.co/63Dnd4ETTG

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