- 著者
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和田 琢磨
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.3, pp.52-62, 2008-03-10
今川了俊著『難太平記』は『太平記』の作者・成立論の基礎資料である。『太平記』作者の有力説には「恵珍」説と「玄恵」説とがあるが、両説の根幹には『難太平記』の六波羅合戦記事がある。本論は、六波羅合戦記事の作中での位置を確認し、了俊の思想や執筆意図を明らかにした上で、了俊は作者を恵鎮であると確認していたであろうことを指摘した。また、「作者は宮方深重の者」という研究史上議論されてきた表現についても私見を述べた。