著者
松田 亮三
出版者
日本医療経済学会
雑誌
日本医療経済学会会報 (ISSN:13449176)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.3-12, 2014-12-01

医療機構へのグローバル化の影響は医薬品等の限定的な範囲でもっぱら議論されてきた。しかし、メディカル・ツーリズムの急激な台頭や包括的自由貿易協定の拡大にあるように、各国医療機構・体制へのグローバル市場の影響はより深くまた大きくなっていく趨勢にある。本論文はグローバル化が医療政策にどのような影響をもたらすか、各国の医療機構・政策がどのような課題に直面しているか、について概観した。まず、グローバル化を地球規模の相互依存性が増大する過程として把握した上で、その過程において福祉国家は動揺しつつも、基本的には存続しており、医療はその重要な構成部分であり続けていることを指摘した。次いで、グローバル化の医療への影響を、金融、労働、医薬品、医療サービス、知識・情報、理念について検討し、それらの多様で複雑な影響を考察した。最後に、グローバル化の中で特に競争の激化や国際的規制環境の変化により、グローバルな議論と圧力をふまえつつ各国の医療政策を形成することがより強く求められるようになってきている点を指摘した。

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さきほどのは、全体のイントロ。以下は、総説 グローバル化と医療政策分析 : 新しい課題(<特集>グローバル化と医療) https://t.co/9mfsYA5YBs #CiNii

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