- 著者
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篠原 由利子
- 出版者
- 佛教大学
- 雑誌
- 福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.37-52, 2015-03-31
精神保健医療福祉領域にあって、当事者の心理・社会的支援を深めていく視点として不可欠なものが生活者の視点であり、障害特性(生活のしづらさ)であることは言うまでもない。疾患や障害が医学的記述やチェックシートによって計測され、計量化される時代にあって、福祉支援は「生きづらさ」「付き合いづらさ」等々、生活面、人生面に及ぼす影響がどのようなものかという当事者理解はことさらに必要である。しかし体験を理解するのはなかなか難しいものである。当事者の体験記や教育教材も出版されつつあるが、この稿では映像(映画)による共感的理解の深まりの可能性を論じた。