著者
城所 宏行 末廣 芳隆 ブルシュチッチ ドラジェン 神田 崇行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1203-1216, 2015-04-15

公共の場で活動するソーシャルロボットが期待されている.ソーシャルロボットは人々の興味を引き,かつ有意義なサービス提供ができる可能性がある.しかし,興味を引かれてロボットと相互作用を始めた子供たちの行動が,ときに行き過ぎ,ロボットに対して攻撃行動を起こすことが明らかになってきた.観察実験によって,ロボットに関心を示した子供のうち,合計で117回の執拗な攻撃行動を観測した.子供たちはロボットに暴言を吐き,蹴り,叩くなどの行動でロボットの活動を執拗に妨害していた.本論文では,ロボットに対する執拗な攻撃行動を「ロボットいじめ」と名付け,この現象の緩和を試みる.この目的のために,子供のロボットいじめ行動をモデル化し,ロボットがモデルを用いてロボットいじめ行動を事前にシミュレートし回避可能にさせる.モデルを歩行者シミュレーションへ導入することで,子供のロボットいじめ行動をシミュレーション上で再現できるようにした.また,本論文では,ロボットいじめ行動のシミュレーションをロボットの将来行動の計画に用いる,というシミュレーションに基づいた行動計画方法を提案する.ロボットは,センサシステムから現在の状況を取得し,自らの行動に対して子供たちがどのような行動をして,その結果,近い将来どのような状況が生じるのかをこのシミュレーション上で検討する.このシミュレーション結果を比較することで,ロボットいじめが起きにくい行動を選択する.この「ロボットいじめのシミュレーションに基づいた行動計画」システムを構築した.実際のショッピングモールでシステムを用いた実験を行ったところ,ロボットいじめの生起を抑制できたことを確認した.Social robots working in public space often stimulate children's curiosity. However, excess curiosity can sometimes result in aggressiveness towards the robots. In our case studies, we registered 117 cases of aggressive behavior and found that some children persistently obstructed the robot's activity. A number of children actually abused the robot verbally, and sometimes even kicked or hit the robot. In this paper, we define this persistent aggressive behavior as "robot bullying" and analyze ways how the occurrence of robot bullying can be reduced. For this purpose, we developed a statistical model of occurrence of children's bullying of the robot. With this model we want to make the robot able to anticipate and avoid potential bullying situations. We confirmed that the model is able to reproduce well the occurrence of bullying in simulations. While running in real world, a robot can then use pedestrian simulations to test its future behaviors for possible occurrence of bullying and choose the behavior which gives the lowest probability of bullying. We developed a system of simulation-based behavior planning which implements this behavior decision. Finally, in experiments in a real shopping mall we demonstrated that with the model the robot successfully decreased the number of occurrences of bullying.

言及状況

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ロボ教師いじめは10年位前から学校へのロボット導入の障壁として話題にはなってた。 https://t.co/WYJPbJCH71 お受験で大人しい系を選別した私学はいざ知らず、お気持ちへの変な傾聴が要求される日本では尚更、オンサイトのロボット導入の道のりは険しそう。差し当たり小さくてかわいい方が安全かも。
CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避 https://t.co/cLlLQ06Q1G 自動運転煽りたくなるの小学生並みなんだよなぁ
CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避 https://t.co/LWAzgU5dQK なかなかおもしろい
CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避 https://t.co/u9g4ZJRq6Z #CiNii めちゃめちゃおもしろかった
CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避 https://t.co/wCqgh0QlqR #CiNii
“CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避” https://t.co/7MNE5vWe3t
街に出てくるロボットが増えるにつれ、神田さんたちの「街ロボ」研究成果が生かされる機会が増えるだろう / CiNii 論文 -  子供たちの引き起こす「ロボットいじめ行動」の回避 https://t.co/oy6QNJzQ1h #CiNii
ジェミノイド等で知られるATR IRCによるガキからロボットを守る一連の研究 http://t.co/Q2Rw0VkD0F 同グループの日本語だと"ロボットいじめの回避" http://t.co/34s6JTE4Ve シミュレータでいじめを再現するなどサイバー感強い

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