著者
瀬崎 圭二
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.35-44, 2004

明治三七年一月五日の「大阪朝日新聞」に掲載された第一回目の「天声人語」は、前年一二月の勅語奉答文事件に代表されるような対露強硬論の高まりの中でその名と記述を形成している。当時の「大阪朝日」の紙面では数少ない言文一致体と、それによって記される、書き手の責任を回避するような信憑性の希薄な情報によって、対露強硬論は展開されたのである。「天声人語」はそのような形で連載をスタートしたが、現在のそれは、結末に対する期待を予め孕んだ記述の束ではないという点において、もはや連載ではなく<場>として認識されていると言えよう。

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瀬崎圭二「「天声人語」の生成と<連載>」、なぜ「天声人語」が一時期大学入試に出題される頻度が高まったのか、示唆に富んでいる https://t.co/J3u148wKPu
瀬崎圭二「「天声人語」の生成と<連載>」、なぜ「天声人語」が一時期大学入試に出題される頻度が高まったのか、示唆に富んでいる https://t.co/J3u148wKPu

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