著者
小二田 誠二
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.31-39, 2001

近世に写本で流通した実録は、近代以降、「歴史ではなく文学・小説」とされてきた。しかし、個人の責任において固定されたテクストを他者として読む読本などの小説と、共同体が出来事を解釈してテクストを流動させる実録とでは質的に大きな隔たりがある。実録の、本文の流動性と固定化、作者の不在、という特徴を手がかりに、印刷文化の普及した時代に写本で流通した事実の位相を考察した。

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関連文献。 小二田誠二「事実は虚構であり歴史は文学であること(子午線)」『日本文学』43(6)、1994年。https://t.co/kDrCLdHsK4 同「実録体小説は小説かー「事実と表現」への試論」同、50(12)、2001年。https://t.co/ex6hptZAtw 同「真実は虚構であること」同、61(1)、2012年。https://t.co/qtOc09zOVt

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