- 著者
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丹羽 晃子
- 出版者
- 東京経営短期大学
- 雑誌
- 東京経営短期大学紀要 (ISSN:09194436)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.68-56, 2016-03-30
『古事記』景行天皇条には倭建命の物語があり,その最後には,倭建命は死後鳥になって飛翔し,后たちと御子たちが追いかけて歌をうたったが,御陵に鎮座せずに天高く飛んで行ったと記されている。后たちによる四首の歌は倭建命と天皇の御葬儀にうたうとある。これらの歌は『古事記』の中で,后たちが倭建命を追いかけていくのに難儀する嘆きを主に表すとみられてきたが,本稿では二首目の歌は積極的に追いかけて行くことをうたっているのではないかとみて,四首の歌の構成について考えた。