- 著者
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門 信一郎
- 出版者
- 社団法人プラズマ・核融合学会
- 雑誌
- プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
- 巻号頁・発行日
- vol.91, no.2, pp.99-106, 2015-02-25
日本の教育はいわゆる「ゆとり」から「脱ゆとり」へと移行し,世界的にみた学力も回復傾向を示している.「ゆとり教育」期間もSSHやSPP等を通じ,中学・高校も理科離れ対策を講じ,筆者もそれに協力してきた.プラズマ現象は数多く中学高校の教科書に取り上げられているが,プラズマの名を使わないのは不自然に思える.プラズマ・核融合をあらわに現行の理科教育に組み込むには,高等学校で初めて「プラズマ」を目にするのでは遅い.全員が学ぶ中学理科で用語と基本性質に慣れ親しみ,高校では学術・研究志向の教育となるように内容や配置を工夫をすべきであろう.白熱灯と蛍光灯からLED照明へと移行しつつある今日,科学的リテラシーの充実には,光のスペクトル分類を再定義する必要がある.研究者にも現行の理科教科書の一読を奨励したい.