著者
伊藤 孝士
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.149-153, 2015-02-25

惑星や小惑星・彗星といった太陽系天体の運動はケプラー運動でよく近似できる.これらの天体の多くはより重い中心天体を周回し,そこに働く摂動は一般に小さい.また現代に於いては天体同士の衝突も稀であり,力学的には太陽系を保存系と看做すことも妥当である.これらの性質により太陽系力学はシンプレクティク数値積分,特に微小摂動系向けの計算方法と親和性が高い.本節では太陽系力学の様々な局面で利用されるシンプレクティク数値積分法のいくつかを紹介し,その現状と課題・将来の展望について簡潔に述べる.

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