著者
相馬 庸郎
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.46-55, 1992-01-10

戦後日本の演劇史上に独自の位置を占める秋元松代の戯曲「常陸坊海尊」は、秋元が柳田国男の民俗学とめぐりあうことによって、その創作が可能になったものである。秋元は、柳田によって知らされた海尊伝説という民間伝承の持つ意味と、戦中戦後の学童疎開や人間における「性」の呪縛という現代的な問題とを縦横にからませ、独自で深い演劇空間を作りあげた。それは、当時の秋元のとらえられていた深い苦悩にカタルシスをもたらすと共に、その後の秋元の歩みを決定づけるものとなった。

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昨日の常陸坊海尊の演劇、シナリオそのものをテーマにした論文も出てる有名なものらしい…本当にいいものを見せて頂いた…。 https://t.co/IiOovtBzlT

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