- 著者
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小二田 誠二
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.8, pp.75-83, 1989-08-10
近世の仇討小説は厖大な量に上るが、"ワン・パターン″で面白みがなく、個々の趣向でしか評価できない、という見方が強い。しかし、量産された背景には、仇討小説の持つ本質的な魅力があった筈である。本稿では、実録等を材料として、趣向を捨象し、仇討小説の定型を抽出し、仇討小説が定型を保ちつつ史的な流れの中で、仇討とは別の副次的な主題を持って来たことを確認し、近世に於ける仇討小説の意味を考察した。