著者
小二田 誠二
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.75-83, 1989-08-10

近世の仇討小説は厖大な量に上るが、"ワン・パターン″で面白みがなく、個々の趣向でしか評価できない、という見方が強い。しかし、量産された背景には、仇討小説の持つ本質的な魅力があった筈である。本稿では、実録等を材料として、趣向を捨象し、仇討小説の定型を抽出し、仇討小説が定型を保ちつつ史的な流れの中で、仇討とは別の副次的な主題を持って来たことを確認し、近世に於ける仇討小説の意味を考察した。

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↓RT 「心学早染艸」の詳しい解説。 https://t.co/cGti6c5YPI 黄表紙の中では研究もある方だと思うんだけど、私の興味は、主人公の擬人化された内面が定型的な仇討物語の定型を踏襲すること。そこに外部から道理先生が現れることなど。 この作品には触れてないけど。 https://t.co/A385VybXWk
自分の中で、最初に話型を使った論文はこれ https://t.co/A385VybXWk 色々突っ込みどころがあるので前期ゼミの教材にしてみた。ちゃんといいとこ突いてきた学生もいて一安心。 それはさておき、吉田敦彦先生の授業を受けてモロ影響受けてた頃だなあ。
↓RT 主人公の特別な能力や高貴な血、ということそのものは英雄神話と矛盾しないんだよなあ。努力や苦労がその「潜在能力」を現前させる、というのが「自己の発見」なので。 せっかくなので、昔の拙稿、読んで下され。 仇討小説試論 https://t.co/B0MNgDU8UU

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