著者
中村 三春
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.1-11, 1987

太宰治初期の代表作「道化の華」は、心中未遂を犯し自分だけ助かった主人公大庭葉蔵の物語であるが、同時に、その物語を語る語り手が、自分自身の語る物語の内容や構成に関する注釈を縦横に加える構造になっている。これは、小説創造と小説創造に関する陳述の同居という、いわゆるメタフィクションの定義に完璧に合致する典型的テクストである。本稿ではメタフィクションの一般理論に照らして、この作品に再検討を加えてみた。

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●中村三春「「道化の華」のメタフィクション構造」『日本文学』36(11)、1987年。https://t.co/wbh0g4Wczq ●杉本一直「メタフィクション : 重層的虚構の戦略」『言語文化』2、1994年3月。https://t.co/9zf5i7o16Y

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