著者
佐藤 未央子
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.49-62, 2014-11-15

映画界の隆盛を背景に、「青塚氏の話」は映画製作と受容をめぐる人々の欲望をアクチュアルに批評した。本作において映画は、監督の中田、観客の男を繋ぐ媒介となりながら、女優由良子の<性>を前景化し、視覚的快楽を提供するメディアとして描かれた。一九二〇年代半ばから内面性の表現が重視され始めていた映画は、原初的な記録媒体あるいは<見世物>に押し戻されているのである。男が一人快楽を貪るさまは、受容者による製作者からの所有権奪取を示唆していた。本作では映画の流通過程における主体性が問われ、谷崎が映画に見出した「民衆芸術」性が仮託されていたと考えられる。谷崎の<映画小説>群に通底する批評意識を、「青塚氏の話」からも看取できた。

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【Webで読める論文】 佐藤 未央子「谷崎潤一郎「青塚氏の話」における映画の位相 : 映画製作/受容をめぐる欲望のありか」2014 https://t.co/jRuCmgkIVe
【Webで読める論文】 佐藤 未央子「谷崎潤一郎「青塚氏の話」における映画の位相 : 映画製作/受容をめぐる欲望のありか」2014 https://t.co/jRuCmg37wE
【Webで読める論文】 佐藤 未央子「谷崎潤一郎「青塚氏の話」における映画の位相 : 映画製作/受容をめぐる欲望のありか」2014 https://t.co/jRuCmg37wE
最近読んで非常に面白かった論文。佐藤未央子 「谷崎潤一郎「青塚氏の話」における映画の位相 ——映画製作/受容をめぐる欲望のありか——」『日本近代文学』(91)https://t.co/gNFNko8C7l

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