著者
中西 又三
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.9, pp.381-440, 2015-03

1 はじめに 学校教育法・国立学校法人法一部改正法の制定過程の概略等及び本稿の論述の範囲を記す。2 学校教育法等の改正 改正の内容及び改正の理由を項目的に整理した。3 学校教育法等改正の問題点 次の問題点を指摘した。(1)教授会を学長に対して「意見を述べる機関」とし、その意見が学長を拘束しないとする文科省の見解は理由がない。(2)教授会が「意見を述べる」事項の限定は、教授会権限等の歴史的沿革からして「大学の自治」=教授会自治に適合しない。(3)法定ないし学長が定めた意見聴取事項以外の事項に関する教授会の意見提出について学長の取扱いに問題がある。(4)学校教育法施行規則一四四条の削除は学生事項に関する教授会権限の削減という側面がある。(5)副学長の執行機関化については検討すべき問題がある。(6)内規の総点検・見直し 文科省の求める内容方法に疑問がある。4 国立大学法人法の改正の概略と問題点 組織の特色を概観した後(1)経営協議会の外部委員の増員、(2)教育研究評議会の委員に執行機能をもった副学長がなること、(3)学長選考方法の変更(学長選考会議による選考基準の設定、選考過程の透明性の要求)が持つ問題点を指摘した。5 まとめ 今次改正は大学の自治に棹さすものであるが、学問の自由・ 大学の自治は引き続き追求されるべきである。

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